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2017年09月24日

新しい挑戦-サンタニエッロ

ボリオリはクラシコの世界に風穴を開けた。何度も書いているけど、その最大要因は価格だ。
当時10万は下らなかったイタリア製ジャケットに、8万で勝負した。
当然 スタイル独自性、カッコ良さがあったからの話だが。
今では10万アンダーのジャケットは珍しくない。皆 その価格に慣れた。
イタリア服の敷居は低くなったのだ。
今の世の中 低価格の服があり、高い服がある。その間はどうなのか?
僕にはそのゾーンの世界はわからない。
先日 紹介したナポリ近郊のファクトリー“サンタニエッロ”。
フェリージを扱うフィーゴが狙ったのか、偶然なのか、このブランドで敷居を更に低く仕掛けてきた。
今までこのプライスで認めた服は皆無。
サンタニエッロ(パンツのイメージがあった)がスーツ、ジャケット??と思いつつ、見に行った。
期待せずに羽織ったジャケットに息をのんだ。だんだん真剣になっていき、脳からアドレナリンが溢れ出した。
「こ・の・ジャケットは…革新的かも…。」 僕のいつものオーバーな表現は、更にグレードアップする。
いろんなことが頭をよぎる。自問自答。
価格とクオリティとターゲット。
「これで5、6万?ついにここまできたか。」 僕のポジティブ思考がざわめきだした。
ほとんどオーダーを終えた後ではあったが、再度構成を練り直さねば、というより心の中ではこのブランドをやることに決めていた。
25年前 ハイセンスなイタリア服代理店 フィーゴと取り引きを始めた時から、なんか絆を感じる。
カルーゾ、レダエリ等を紹介してもらったり、UAとの取り引きをセッティングしてもらったり…フェリージだけの付き合いではない。節目、節目でフィーゴが関わっている。
そのフィーゴが再びクロージングに参入する。
服に精通するフィーゴが、ラ・ガゼッタという大人のセレクトショップで長年培ってきた経験から生み出した新しい挑戦。
サンタニエッロは、今 スタート地点に立っている。
低価格服と普通のイタリア服との間。難しいポジションかも知れない。
僕自身 そんなリーズナブルでカッコ良いイタリア服をずっと待ち望んでいた。
サンタニエッロは、ボリオリの様なムーブメントを起こすなんてないだろう。
ただ、僕が長年望んでいるイタリア服世界の裾野を広げる為のブランドになって欲しい。
その為には価格が重要であることに異論はないはずだ。
フィーゴが動けば風向きが変わるかもしれない。
そうであって欲しい。

2017年05月06日

サザンの道のりと僕の青春時代

この前飲んでいて、サザンの話になった。国民的ヒットメーカーとして知られるサザンオールスターズ。
僕の高校時代、洋楽がトーンダウンした頃に出てきた、いきのいい新人ロックバンドのイメージが今でもこびりついている。
“勝手にシンドバッド”の衝撃はハンパなかった。あの何言ってるのか不明の歌詞をロックサウンドにのせて、曲は大ヒットした。
今のバンド音楽にポピュラー要素を入れた先がけだろう。
今までの数々のヒット曲はいいんだけど、僕の中のサザンは18~22歳頃の青春期で完結する。
特に好きでもなかったけど、ラジオ深夜放送(大体オールナイトニッポン)は、ライフスタイルだったから、桑田さんのオールナイトも欠かさず聴いていた。
そして、みんな青学に憧れていた。
“勝手にシンドバッド”の後、数曲シングルを出すもふるわなかったが、“いとしのエリー”で、ドッカ~ン。
それからは、国民的人気バンドに化けていった。多くのヒットは生れ出るも、僕のサザンへの想いは失せていった。僕がもしBEST3を選ぶとしたら、やはり初期のアルバムになる。
そんな訳で、BEST3。3位「ラチエン通りのシスター」(10ナンバーズ・からっと)。
僕ら世代なら、知る人は結構いると思われる。茅ヶ崎にある通りの名前。中学時代の桑田さんの実話。この曲を入れない訳にはいかないだろう。高校の文化祭で、ずっとかかっていた。甘酸っぱい名曲。
2位。「忘れじのレイドバック」(アルバム未収録。バラッド1収録)。
これは、僕個人が密かに思い出深い、あまり知られていないであろう1曲。
勉強もろくにせず、深夜放送と麻雀に明け暮れていた浪人時代。サザン活動停止中にシングル5連発で出した1曲。ジョンレノンが暗殺された年。ひっそり出されたエロイ隠れ名曲。
1位。「夕陽に別れを告げて~メリーゴーランド」(kamakura)。
桑田さんが高校に通ってた時のことを歌った曲。夏の終わりを告げる郷愁。ブルースハープで始まる軽快で大好きな1曲。
この曲は、ちょっと時代からはずれるんだけど、社会人になってツライ毎日を送っていた頃の曲。なんか涙腺がゆるむんだな。
サザンがデビューして40年近く経つ。一般的には知られていない曲ばかりだけど、僕の独断と偏見でセレクトした思い出の名曲。
ヒマがあったら聴いてみてね。
サザンの成功と僕の甘酸っぱい青春時代。

2017年04月14日

あなたは何をパクる、僕はカブリエレ・パジーニ

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モデナの怪人と言えば、ガブリエレ・パジーニ。あのブッとんだオヤジですよ。
何を隠そう僕は彼の隠れファンなのだ。
でも、特に彼の服に強い憧れ、物欲を感じるわけではない。コレクションをみたこともなければ、扱ったこともない。
彼の服は、誰にもマネできない強烈なオーラを放つ。厳粛なクラシックの世界に独自の美学を注入したスタイル。
僕が強く惹かれるのは、洋服そのものというよりパジーニという存在なんです。完成された存在感。何も足さないし、何も引かない。全てを超越してます。感性・趣味・ライフスタイル・人生観…。
この人の頭の中、体の中を解体してみたい。どんな血が流れているのだろうか?怪人の化けの皮をはがしてみたい。
彼のインスタグラムはモチロン全てチェックしてます。モデナのショップ、ウインドー、コーディネート、インテリア、オブジェ、アクセサリー、写真、アート…。一つ一つが僕の想像のツボを刺激する。アクの強さはハンパない。
でも、何を見てもそこにはゆるぎない一貫したスピリットを感じる。長年にわたり培われたファッション体験。独自のフィルターを通して見てきた世界。結果たどりついた美学。
80年代モードデザイナーの世界に魅了されてきた僕にはよ~く見えますよ。クラシコの世界でビジネスしている今では忘れていたサムシング。遠い昔のあの感覚。
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これにこれを合わせる?一線を超えた奇抜なコーディネート。
「どうだい、俺の着こなしから何を感じてくれうかい。」
自己満足じゃない。わかりやすいメッセージ。
“ファッションって自由なんだなぁ。” あらためて気づかされる。
セオリー、マニュアル、トレンドは大切な教科書、バイブルであり、精神安定剤。そこは現在進行形でいいと思う。
でも、そこで完結して欲しくない。少しでもいいから “キャラ” という隠し味をブレンドして欲しい。その一歩先に踏み出す勇気がファッションの面白さなんだ。パジーニからのメッセージにとれた。
何にインスパイアされるかは人それぞれ。
皆さんはインスパイアされるものを沢山お持ちですか?人、モノ、本、音楽…。
心ゆさぶられるものに出会った時、そこに何かヒントを見い出し、それを自己流にアレンジし、あてはめてみる。イマジネーションが勝手に暴走を始める。
自分流にパクればいいんです。世の中はパクリで成り立ってるんじゃないかな。パクってパクられて、新しいものが生まれ、それをまたパクるものがいる。
僕がパクリのターゲットとしているパジーニも、いろんなものをパクってきたんだろう。

2016年01月24日

アルバ子のひとりごと

お久しぶりであります。あなたのアルバ子であります。
初売り期間中「全員集合!」ということで来店して下さった方々、誠にありがとうございます。
しかしまぁ、雪ですよ、雪!!
今朝も早くから雪かきです。すでに体中痛いの。
この冬は雪かきと言う作業をせずに終わるのかと思っていたのですが、甘かった!
そんでもって最近のアルバ子ですが、新しい年ということでインスタグラムっちゅうもんにチャレンジし始めました。今どきのものを多少かじってみるのもいいかな??なんてね。始めたばかりで、悪戦苦闘です。
他の皆々様のようなステキなものではありません。かなりへっぽこな感じであります。
まだまだ手探りの状態でありますが、アルバ子の奮闘ぶりに興味のある方はちょっとのぞいてやって下さいませ。
albano.hasehirohiroで探してもらったらよいのかな。
お店の情報ですね…、そうそう早くも春夏物が入荷するような…。
そのへんはまた我が相方様がご紹介するかと思います。
皆さ~ん、どうぞお楽しみに!!
(SALEも最終段階です。大丈夫、宝探しまだできますよ。)

2016年01月12日

ボウイの死と友からの便り

昨日の夜、一本の電話がなる。
「お~い、ボウイが死んじゃったよ~。悲しいゼ。やりきれないよ。お前も悲しいやろ。ミックやキースが死んでも驚かないけど、ボウイだよ、ボウイ。」
電話は中学時代からロックを一緒に聴き続けてきた親友。
かなり酔っていた。そして、久し振りの知らせ。
「そんな事よりお前元気なのか?」
ボウイ死去のニュースは一時間前に聞き、僕も大きなショックを受けた。
奴は特にボウイに入れ込んでいたからなぁ。
自分達の中学時代、ロックが全てだった。絶対だったんだ。
ファッションだったし、スタイルだった。全てそこから始まった。
ビートルズ、ストーンズ、ツェッペリン、パープル…そしてD.ボウイ。
僕達オヤジ世代。ロックに生きることは反抗だった。
そして、かけぬけた20代、30代。ロック、酒、タバコ、女…。
本物のロックは、もう死んでいた。でも、心の中にロックスピリットは生き続けた。
ストーンズが初めて来た時も。スプリングスティーンが初めて来た時も。クラプトンが初めて来た時も。熱かった。歴史的瞬間に立ち会った。
東京に遊びに行っては泊めてもらい、ロックを語りながら酒を酌み交わした。
楽しかったよ。夢があったな。
そんな自分達ももう50中。憧れた俳優、ロックミュージシャンも次々と死んでいく。随分時が流れたもんだ。段々淋しくなっていくよ。
ロックンロール。内田裕也じゃないけど。心の隅にその精神は持ち続けていきたい。みんな一緒さ。
でも、今日は無性にうれしい。ボウイが死んだっていうのに。
何よりも大切な友からの知らせ。
もう数年間、奴の家庭事情で日本を離れていたのか?連絡もなかったし、こちらからも連絡をとるのが怖かった。
「バカヤロー!なんで連絡してこないんだよ。オメェが勝手にどっか行っちゃうから。ずっと心配してたんだぞ!」
「お前こそ俺の連絡先知ってるだろ。冷てぇ奴だなぁ。今更俺みたい奴が、そんなシャレた服屋に顔も出せねぇだろ…。」
ボウイの死が久し振りに俺達2人を結びつけてくれた。
ボウイありがとう。感謝するよ。安らかに。
ファッショナブル。ヴィジュアルシンガーの元祖だよ。
皆さんもYOUTUBEで僕の大好きなミック&ボウイ(ミックの数倍カッコイイ、モードバリバリボウイが光る)の「ダンシングインザストリート」をぜひぜひご覧ください。
今晩は東京と富山で2人のロックバカが、「ジギースターダスト」(名盤)を聴いて弔うことにします。

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