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2013年07月23日

「縁」

「縁」。人や物との運命的関係、出会い。目に見えない不思議な赤い糸。
日本人が当たり前の様に使っている言葉。アメリカには、これに相当した表現がないし、アメリカ人には解らないらしい。いろいろなものが「縁」で結ばれて、大きなエネルギーが生まれていく。
20日、あのアルバーノ北海道支店長(ブログ:気ままにクラシコkimakura.net)がやってきた。
フィナモレ、シルヴァーノのピンクのリネンシャツが、ハワイ帰りの彼の焼けた肌に眩しかった。彼との最初の「縁」も、フィナモレのシャツだった。
もう6、7年経つかな。富山から北海道に転勤し、3年近く経つ。早いもんだねぇ。しばし、近況報告。ハワイの土産話をしながら、SALEの宝探し。
前回 春に着た時に試着し、後ろ髪を引かれつつ店を後にして行った、ボリオリの濃紺コットンソラーロのスーツ。丁度彼のサイズが1着残っていた。「縁」である。勿論彼の目が輝いた。
翌日はレンタカーを借りて、富山での思い出の地を回るそうだ。グルメ、隠れ家図書館…、地元民の僕達も知らないストレンジな富山を沢山知っている。縁もゆかりもなかった富山に数年暮らして、生まれた富山との
「縁」。そして、想い。転勤になって離れても、また来たいと思ってくれる。遠い北の地からマメに足をはこんでくれる。嬉しいなぁ。
僕達は、「縁」が運んでくれたお客様の人生を見守り続けている。洋服を通してだけど、社会人になって当店の扉をたたき、服に夢中になる。そのうちに愛する人ができ、守る家庭が生まれる
そんな沢山の人の物語を見てきた。僕達は、彼のこれからの物語を楽しみに、大切に見守っていきたい。
そうこうしているうちに、営業部長(ブログ:北陸の伊達男)が現れた。支店長との再会。ブログでの「縁」だ。支店長のフィナモレ、シルヴァーノのシャツと部長の古いフィナモレ、プルオーバーのシャツの共演。(この時の写真は、伊達男のブログで見られることでしょう。)
スーツ、ジャケットを愛する二人の男の熱い会話。それを嬉しそうに見守る僕がいる。いい光景だな。
富山のストレンジプレイス、洋服屋アルバーノ。僕達も「縁」あって、富山のこの地で商いを営んでいる。沢山のお客様のエネルギー「縁」を吸収して、店は呼吸している。
今日も「縁」で作られた「アルバーノ」というオブジェに、新しい「縁」がまた一つ加わるかもしれない。

2013年07月01日

ヴィンテージとジャズな夜

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街が眠りについた深夜。人けのない商店街の洋服屋の2Fでは、好きなものに囲まれ何かをたくらんでいる男がいる。
コルビュジェのソファ、カスティリオーリのライト、マッキントッシュのアンプ、JBLのスピーカー…。そして、今日はスペシャルなゲストがやってきた。イタリアのヴィンテージファブリック。
元々ファブリックを扱うアルヴェスティさん。ショールームの片隅にあるヴィンテージファブリックが、かねてから気になっていた。念願叶って、今回全て送ってもらった。パッキンにぎっちり詰まった大量のファブリック。血が騒ぎます。一枚一枚取り出し、愛おしく手にとっては、かざして見たり近づけて見たり。
さぁここから、僕のイマジネーションの世界が幕を開けます。
どんなジャケットを作ろうか?どんなデザインのスーツにしようか?
ところが、今日は違うんですよ。洋服が目的じゃないんです。今日は僕の趣味と言ってもいい、インテリアモードなんです。ウインドーと店内のプチリニューアルの為です。インテリアとファブリック?ファブリックは空間作りのいいソースになります。
例えば、カーテンや壁紙、古いソファやスタンドライトのシェードを張り替え。パネルにしてアートにしてもいいし、シンプルにクッションやテーブルクロス。雰囲気作りには欠かせません。
何か面白いことに使えないかな。
イマジネーションを膨らませるには、ジャズです。レコードです。ヴィンテージファブリックには、古いレコードの温かい音がよく合うんです。ブルーノート、ジョニー・グリフィンの刺激的なピンクレッドのジャケットが目に留まりました。ファンキー、ムーディーなサックスの音が五感を始め、体中の器官を刺激します。
なんか脳が躍動してきたぞ。
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生地を見ていると、見慣れている生地がでてきました。隠れ家の僕の横にいつも寄りそう観賞用のGi・カプリのジャケットと同じ生地。いや、よく見るとブロックチェックの大きさは、ちょっと違うか。
とにかく今日は洋服モードではないので、洋服では使わないようなインパクトのあるものや変わった柄を探します。こうしている時が僕には至福なんです。
イタリアのウインドーディスプレイ、凝ってますよね。街角にあるショップのウインドーは、競うように自己主張します。街や商店街に伝統と華やかさを醸し出しながら、映画のワンシーンのように人々を魅了します。
今の日本には失われつつある、ウインドーショッピングを楽しむ文化。寂しいなぁ。
アルバーノのショーウインドー、どうしましょうか。洋服屋っぽくない斬新なショーウインドーにしたいなぁ。小さな空間の中にアッという仕掛け、まさにショーを演出したい。
春までにと言いつつ、かなり遅れております。秋には実現させたい。
今日出した写真の中から、いくつかファブリックを選ぶつもりです。どう使われるかはお楽しみに!
道行く人々が、必ず足を止めて釘づけになるような魅力的なショーウインドーにしますよ。そこに僕はこだわりますよ。

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