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2013年12月31日

2013年しめくくりのご挨拶

大晦日。今年もあとわずかで終わろうとしています。
今年一年 洋服を通じて沢山の方と親交を深められたことを非常に嬉しく思います。
誠にありがとうございました。
また、ダラダラと長い内容のホームページにお付き合いいただき、ありがとうございました。
昔から作文が大の苦手な僕ですが、文章を書くことは脳にいいと聞き一生懸命書いております。
これからもマイペースで、好き勝手にいろんなことを書いていきたいと思います。
どうか温かい目で見守ってね。
来年もアルバーノならではのセレクション、隠し玉をご用意してご期待に沿えるような店を目指したいと思います。
今も皆様が恰好良く着こなす姿をイメージしながら、来年の仕入れを考えております。
来年もホント服を着ることを愉しみましょう。
私達も一緒に愉しみたいと思います。
いろいろご意見、ご感想、ご希望をお聞かせ下さい。よろしくお願いいたします。
それでは、皆様良いお年をお迎え下さい。

2013年12月19日

災い転じて福となす?

先日一人のお客様が、黒のナイロンのトレンチコートを着て来店された。そのコートは結構シワが入っていてヨレた雰囲気だったが、そのたたずまいにトレンチのアイデンティティーが垣間見えた。
男の生き様が、注入された様な恰好良さ。
すかさず、「それ、どこのトレンチ?」と聞いてみた。
「シーラップですよ。ただ、ここで買ったものじゃないんですが。」
ちょっと間があり、「本当?マジ!イイ、イイヨ、恰好イイヨ。」
僕はちょっと興奮した。当店で売ったことのあるシーラップのトレンチでないことは、すぐ判った。ただ、当店のトレンチが一番いいという自信があっただけに、ちょっと嫉妬した。
「結構前に買って着こんでるんですよ。スゴク気に入ってます。シーラップ最高!」
僕もこれはどうだと言わんばかりに、アルバーノのトレンチを無理やり着せて、感想を求めたことは言うまでもない。シーラップを知っている男は日本では少ないし、過小評価されてるブランドであるのは間違いない。
今日は先日のトレンチ時にちょっと触れたこと。イタリアへオーダーへ行こうかって話。僕達は、代理店を通して直輸入をしているので、イタリアへ行ってオーダーをしたことがないということはご存知でしょう。
実は、今回の秋冬を最後に日本で20年以上にわたりシーラップの扱ってこられた代理店が、取扱いを辞められるんです。なんともショッキングな話。長年当店もそこで当たり前のように、莫大なサンプルに埋もれてオーダーを入れ、イタリアから直輸入していたんです。
そりゃ愛もありますよ。シーラップを見るとFさん(代理店社長)の顔がチラつきますよ。なんかさみしいなぁ。今まで扱っていた大手百貨店、セレクトもオーダーを控え扱い量が減ったことが大きな要因らしい。僕達も新作より古いモデルのオーダーを入れてもらっていた事情もありますから。やはり、新作のオーダーが少ないのは、シーラップとしても面白くはないでしょう。名だたるデザイナーの難しい注文に応え続けるかたわら、自身も時代に流されない確かなコート作りをしていた職人的真面目なメーカーです。
まぁ、時代の流れですよね。日本市場とはちょっと温度差があったのかな。
現実は現実です。さて、どうしましょう。別にシーラップというブランドの何かが変わる訳ではありません。日本で見られなくなるだけです。
なら、イタリアへ行けばいいじゃないか。行こうじゃないですか、必要なブランドなら。
シーラップ愛があるのなら。ただ、僕達はバイヤーですが、販売員でもあります。掃除もやりますよ。年明けは忙しく、ピッティやホワイト(イタリア服の展示会)には、店を休んではいけません。
オーダーを受けてくれる期間に行けばいいのです。最近イタリアへ行ってないからなぁ。シーラップオーダーツアー。本社へ行って過去のアーカイブをチェック。意外な掘り出し物が見つかるかも。
イヤ~ン、迷っちゃう。勿論新作もチェック。今年のダウンも良かったな。新定番?レディースも全部見られる?(ここ数年新作見てな~い。)素材ののせかえも交渉だ。我が相棒は10年以上前のレディースのコート(品番がわからない。)が忘れられないそうだ。確かにあれは良かった。もしわかったら、10年ぶりの奇跡の復活もあるかも。災い転じて福となす?夢はふくらむ。

2013年12月16日

店長の愛聴盤シリーズ46

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「Remanso」-LUCAS SEDLER
美川憲一の独立問題が芸能ニュースになっています。名前が使えるかどうか。皆さんはそんな事に興味などないですよね。僕も特に興味はありません、今は…。
遡ること40数年前、僕が物心ついた頃、7、8歳位。歌に興味を持ちだした頃。僕はある歌手の事が気になってしょうがない時期がありました。歌番組に彼を探しました。紅白に出る彼をカブりついて見ていました。
その歌手こそ美川憲一なんです。当時20代の彼は、ビシっとスーツを着て、髪は横分け、表情ひとつ変えずクールにブルース、演歌を歌っていました。子供心にそのクールなたたずまい、美しさと陰りがある表情に息をのんで見とれていました。引き込まれてました。
僕に「美」というものを教えてくれた最初の人でした。当時の昭和歌謡の世界では、独特のオーラを放っている若手歌手でした。その顔には似使わない、甘く低音の声も魅力的でした。
「柳ケ瀬ブルース」、「新潟ブルース」、「釧路の夜」は、大ヒット。その後「さそり座の女」がヒットしましたが、それからは売れない時期があり、ドラッグにはまったりして、芸能界の表舞台から消えていました。
それからかなりの年月がたち、コロッケがモノマネをして、再び大ブレイク。その時は、すっかりオネエ系のキャラクターになっていました。昔の恰好良さを知る僕にはショックでした。紅白の衣装の話題等皆さんの知るところです。
僕の中では、若い時の寡黙で精悍なカリスマ的イメージを、美川憲一に強く持っていたので、今のイロモノで見られるのは残念です。もっと偉大なブルースシンガーになっていたかもしれないのに。
僕の「美」の原点が意外なところにあったことを告白させていただいたところで、愛聴盤です。ブルースつながりでいきましょう。
「LUCAS SEDLER」というアルゼンチンのブルースシンガーです。おそらく誰も彼のことを知らないでしょう。
僕もたまたま偶然このCDを手に入れたんです。元々ブルース、ブルースロックは大好きなんですが、これはドロドロ、コテコテのブルースではありません。近年のクラプトンを彷彿させるなめらかなギターに、爽やかなヴォーカル。ノリの良い曲が続きます。ブルースロックは、アメリカ・イギリスのものしか聴いたことがなかったので、スペイン語で歌われるブルースロックはすごく新鮮でした。
近年マイブームのアルゼンチンですが、タンゴ・フォルクローレ系とは、全く違うブルースロックの発見は嬉しい誤算です。

2013年12月03日

再会、イタリアンフレンド

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もう2014年秋冬の仕入れが始まっている。早すぎる。今オーダーすると入荷が早くなるよ。代理店からの誘惑。うちはネットショップで競争している訳じゃないし、年明けの本コレクションでこの冬の結果を見ながら、ゆっくりオーダーしようかなと考えていた。
そこへ代理店アルヴェスティから、「ガイオラの社長ペトリロが11月末に来日します。是非アルバーノに会いたいと言っています。」という知らせが。血が騒いだ。丁度1年前の12月、初めてペトリロ氏と会った。僕洋服に対する情熱と夢を与えてくれたベニー(ペトリロ氏の愛称)。
アルバーノにとって、僕にとっても一番大切なビジネスパートナー。社交辞令だとしてもとても嬉しい。
「一目だけでも会いにいかねば。」東京へ向かった。
1年ぶりの再会だ。満面の笑みであらわれたベニー。固い握手。
「元気だったか?」と目が語っている。
「ベニーのおかげで楽しく商いさせてもらっている。ありがとう。」心底嬉しさでいっぱいだった。
「商売はどうだ。」とベニー。
「おかげさまで何とかやっている。当店にとってGAIOLAは、今では主力ブランドであり、なくてはならないものだ。リピートのお客様も増えている。そのうちGAIOLAショップにしたいくらいだ。」僕の熱い想いにベニーは、嬉しそうにうなづいていた。
今秋のブログで、このブランドとはフィフティフィフティの関係でありたいと書いた。ちょっとおこがましいのはわかっている。日本の田舎の一店舗で地味にやっている僕らが、世界最高の仕立てイタリアナポリで、長年服作りにたずさわっているベニーと、フィフティフィフティ。
ただ、これから徐々にビッグなファクトリーに成長していきたいというビジョンを持つGAIOLA。その世界で一番の理解者でありたいし、ファンでありたい。僕達だけのやり方で微力ながら、その力になりたい。このブランドの行く末にアルバーノも大きくかかわっていければと今は強く思う。
その為に東京へ行って、ベニーに直接僕の想いをいろいろ伝えた。
「AGO E FILO(アンコン)が売れてるんだけど、なくなるそうだね。もし作ってくれるのなら、頑張って売るよ。」ダメもとで聞いてみた。
「よしわかった!アルバーノは別だ。特別に作ろう。」と約束してくれた。
「ジャケットの丈ももう少し短い方が、今の日本ではバランスいいんだけど。」
「短くしてあるんだけど、それならコルト希望と書いてくれれば、もう少し短くしよう。」
ナポリ人と富山人。服を通し、同じ方向を見て意思を伝え合う。
今回もいろいろ収穫はあった。イタリア人は精神もスタイルも恰好いいよ。
グレーのダブルのウインドーペン柄のジャケット。(多分スーツの上だろう。)テーパードした
デニムをロールアップ。ウインドーペンの色に合わせたキレイなブルーのタートルから、ブルーのロンストシャツをチョイ出し。靴はオールデン?頭にのせたグラスのフレームもブルー。
姿勢がいい!ファッションには不可欠。ポーズがまたさりげなく恰好いい。
そして、恒例のスマホで家族の写真を見せる。幼い子供がいるんだけど、ジャケットをきた写真。
勿論ガイオラメイド。ベニーいわく「リトルガイオラ!」
時間はアッという間に過ぎた。でも、すごく充実していた。
なんだろう。僕にとって、今一番大切な外国人、イタリア人である。年齢は僕より少し下かな。今はこうフレンドリーに話していても、将来は僕には手の届かない遠い存在になっているかもしれない。それはそれで、めでたいこと。
でも、これからも毎年年末はベニーの顔を見ないと、年を越せないと思えるようなフレンドの一人であって欲しい。

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