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2013年09月19日

未完成の美-GAIOLA

完成品、傑作品、人気商品を探し集めて売ること。そうすることが僕達物売りの理想なのか?ビジネスとして、それは自然な方向かもしれない。
でも、オーナーの目指すものは人それぞれだ。新しいもの、無名なもの、未完のものを育て、売ることに生きがいを見出す。
それは、イチかバチかのギャンブルだ。しかし、信念を持ってやってきた。体に染みついている。
きれいごとを言っても仕方ないが、これが僕の性分。食べていく糧だ。
ボリオリやフィナモレの様に気に入り、育てた(一生懸命勧めた)ものが、大ヒットする。嬉しいことは嬉しい。でも、それを期待していた訳じゃない。人気者になった時、完成された時、ひとつ言えることがある。そのブランドをとりまく周りの環境が変わることだ。周りの環境が変わることで、そのもの自体がなんらかの化学反応?を起こす。そうなると、自分達がマイペースで扱っていたことが、コントロールできなくなる。
今回 GAIOLAのキャッチコピーを「未完成の美」とした。GAIOLAの服が完成されてないと言いたいんじゃない。ナポリの服の本質をろくに知らない僕が、そんなこと言えた立場じゃない。長年そこに身をおいたオーナーが作り上げたGAIOLA。その美しさにとりつかれた僕がいる。
当店が長年扱い続ける我が心のボリオリ。100年の歴史を刻んで、DOVER、K.JACKET、COATの傑作品を生んだ。ボリオリは地位と名声を築いたが、失ったものもある。それは、ファクトリーブランドというスタイル。先に書いた化学反応が起こった。
今僕がGAIOLAに魅力を感じるのは、ファクトリーブランドとしての機能。ファクトリーって自由なんです。細かいこだわりに応えてくれる。ワガママになれるし、クリエイター気分にもなれる。ファクトリー、工房、小さくなればなるほど、僕達の声が届く。
GAIOLAは、今いろんなスタイルを提案している。新しいモデルで挑発してくる。
「こんなモデルはどうだい。気に入ったらトライしてみてくれよ。」
GAIOLAに絶対的なスタイルはない。僕達はいろんなニーズを考えながら、オーダーする。
「あのお客様は、このモデルを気に入っているから、このあたりの生地で。」
僕は僕の独断で、店長オススメモデルを選ぶ。GAIOLAというファクトリーブランドをいろんな角度から、皆さんにお見せしたい。
オーナーペトリロ氏の経験値の集大成である。まだ、生まれてから5~6年の若さだ。完成されなくていい。傑作品を期待する訳じゃない。
長く根づいていくには、地道なアプローチだ。少しずつこのブランドの理解者が増えていくのがいい。
失敗はあるかもしれない。それも、ギャンブルだ。
ただ、このブランドとは50対50(フィフティーフィフティー)の関係でありたい。マイペースで静かに太く長く…。

2013年09月10日

店長の愛聴盤シリーズ44

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「BALLADS FOR YOU」-JOHN PIZZARELLI
オリンピックも決まった。涼しくなった。秋冬物も揃ってきた。服が楽しい季節到来。
秋晴れの好天。サニーアフタヌーン。どんな気分だい?
フィーリングルーヴィー。外が見える店だったらなぁ。年いったら、リヴァーサイドにニューショップが夢。
YOKOHAMAにもね。
こんな気分のいい午後は、何を聴こう。ちょっぴりキュートでノスタルジック。いなせなジャズボーカルがいい。
ジョン・ピザレリ。前に一度出してないよな。まぁ、いいさ。やっぱりジャズも洋服もわかりやすいのがいい。固いウンチクなんていらない。(僕がしょっちゅう書いてるって?)難しい顔して聴くのが、ジャズだとは思わない。上から下までスキなくキメるのが、ファッションだとは思わない。
心地よい音楽聴いて、お気に入りの服に身を包む。他に何がいる。今日はエライご機嫌だなぁ。そりゃいい時もあれば、悪い時もある。子供っぽい大人。
デパートの様な紳士でクールな接客は、向かないよ。僕ら小さなショップは、やはり人間味を出さないとね。喜怒哀楽接客。でも、そんな恐い時はないから安心してね。ピース、ピース。
それにしても、お客さん来ないなぁ。店内マイクローゼット状態。お客さん待ってる間、ひとりファッションショー。いい秋冬物揃ってんじゃん。自画自賛。試着の嵐。あれもいいけど、これもいい。こんなツィードでスーツ作っちゃって、ニクイ!勇気あるチャレンジャー。クローゼットにかかりきらない量の、新・旧のスーツ、ジャケット。売り切れるの?古いのもあるから、気に入ったら値段交渉してみたら。やさしい店長のことだ。「悪いようにはしない。」が合言葉。
ジョン・ピザレリ。バラードの夜。昼下がりに聴くのもい~ね。
スタンダードナンバー好きだなぁ。「BUT NOT FOR ME」が流れてきた。
お洒落なスイング。ガイオラのジャケットを羽織る。店内にナポリの風。気分も最高潮。
ファッショナブルアフターヌーン。着心地のいい服が、幸せを運んでくる。
軽く粋なボーカルが、笑顔を運んでくれる。

2013年09月07日

ボリオリ、オンマイマインド-我が心のボリオリ

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R&B、ジャズ、ソウル、ブルース、ポップス、カントリー…ジャンルにこだわることなく、このアーティストは自分の世界観を魅せてきた。
レイ・チャールズ。若きロック少年だった僕に、音楽の奥深さ、楽しさを教えてくれた。レイ・チャールズの代表曲「ジョージア オン マイ マインド」。誰もの心の奥にある大切な情景、郷愁。
僕の洋服屋人生を振り返るには、まだまだ早い。でも、その時が来たら心の中にひときわ大きく輝いているであろう存在、ボリオリ。
時代はカジュアル全盛の昨今。未だにスーツ屋なんか気取って、時代錯誤の戯言を言っているひねくれ者に、長きにわたり夢を見続けさせてくれる。
ボリオリ オン マイ マインド-我が心のボリオリ。イタリアブランドに憧れてから、レポーター、レダエリ…いくつもの大切なクロージングブランドとの出会いと別れがあった。宿命さ。時代の流れには逆らえない。ボリオリと出会って、何年経つだろう。長ければいい訳ではないが。
ただ、これまでのブランドのことを考えると、長く第一線で活躍し続けることが、いかに難しいか。ボリオリの功績は素晴らしい。ただ、過去は過去だ。今でしょ。これからでしょ。
ここ数シーズン、ボリオリへの想いは変わってきた。出会った頃、5年前、3年前と比べて。
特に多くを期待する訳ではない。成熟したボリオリ。風格あふれるボリオリを見て欲しい。地に足をしっかりつけた完成品。そして、語れる服であって欲しい。
「その服ボリオリのDOVERですよね。やっぱりそのシルエットは格別ですよ。」そう言われる服であって欲しい。
今秋冬もボリオリは何食わぬ顔して、クロージングコーナーの定位置におさまった。人気モデルは、堂々と存在感を放つ。やはり、この場所にはボリオリが似合う。匂いがしみついている。
「今シーズンも多くのお客様を魅了してくれよ。頼むぞ。」
そんな想いで一着一着、心を込めて袖を通す。勿論最良のボリオリを選択したつもりだ、アルバーノとして。
(写真は、10年位前にアマンさんからもらった大切にしている貴重な展示会用ディスプレイである。)

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