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2012年12月21日

世の中の色

水曜の休日、病院で脳のMRIの検査を受けました。なんと20年振りです。20年前に検査を受けた時のカルテが残ってるではありませんか!(さすがに画像はなかったけど。)先生もその時と同じ先生でした。(びっくり!)
12月になると思い出します。
人間生きていると世界観が変わるという経験が何度かあるもんです。何か自分の中に精神的なショックが起こり、世の中の見方が変わるということ。
僕の中でもありました。富山にUターンした頃ちょっとした頭痛で、用心の為撮られた脳のCT。その時医師から「頭痛とは関係ないですが、1点気になるところがあります。即入院して詳しい検査が必要です。すぐ家族の方に来てもらって下さい。」と告げられました。
突然の展開に、ショックでしどろもどろのパニック状態。10日間の検査入院。何の症状もなかったので、余計に悪い事ばかり考える。そして、MRI検査。やはり、医師は異常を指摘した。目の前は真っ暗。入院中一日だけ外泊を許されて帰宅した。もう言葉がない。世の中の色がダークグレーに見えました。12月クリスマスでにぎやかな街。街を行きかう人々が皆幸せに見え、自分だけが世の中の不幸を全部背負っているように感じた。オーバーじゃないけど、「生」とか「幸福」という事を色々考えましたね。
そして、長く感じた検査の10日間が終わり家族が呼ばれました。結果は、原因不明の出来事。定期的に経過観察していくことに。
まぁ一安心しました。ホント退院して外に出ると、世の中の色がライトグレーになっていました。全ての景色が変わって見えました。生死をさまよった訳ではないのですが、なんか生きていることをかみしめていました。一日一日が大切に感じられました。
その入院するまでヘビースモーカーで、タバコをやめようと思ったことなど一度もなかったのですが、その日以来今日まで1本もタバコを吸っていません。そして、退院一年後に再検査。緊張のるつぼ。
結果は以前と変わりなし。医師の「先天的なものかもしれません。」という言葉がどんなに嬉しかったことか。
検査後病院を出た時の世の中の色が、明るいアイボリーのようでした。丁度その頃自分の店をSTARTさせました。
20年経って検査に行き同じ病院の同じ医師に再会した訳ですが、当然当時の事は彼の記憶の片隅にもありません。僕には「この医師が僕の生き方に大きく影響を与え、タバコもやめさせてくれたんだなぁ。」という感謝と共に、なんだろう…不思議な想いがこみあげてきました。
今、皆さんの目には世の中の色は、何色に見えてますか?

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