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2011年08月04日

人には教えたくない店

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27日(水)から来春の新作コレクションを見に東京へ行ってきました。来春からのアルバーノの新しい方向性を確かめながら代理店を回りました。
雑誌で話題のブランド、人気ブランド…誘惑は多い。でもそういったもので統一してしまっては、画一的な品揃えになってしまう。お客様のブランドの認知度、自分達のビジネスを考えると有名なものを揃えるべきかもしれません。僕はそういったブランドも一部扱いながらも他とは違うアルバーノらしさを出していきたいと考えます。そこで今回心を鬼にして、いつも必ず顔を出していた代理店数ヶ所、行きませんでした。ギリギリまで悩みましたけど…。新しいブランド、内容等、また今度ゆっくり紹介したいと思います。
ところで、皆さんはマイショップをお持ちですか?きっと一つはお持ちですよね。業種は何でも良い。何度も足を運びたくなる店。居心地が良い。刺激がある。素敵な物に出会える。話の合うオーナー、店員さんがいる。自分の目を信じて選んだショップ。あまり人には教えたくない…。
僕も東京にそういった店が多い。一つそっと紹介しましょう。その店は中目黒にある。アンティーク家具、雑貨、本等を扱うショップ。初めて訪れたのは7、8年前。入った途端、何か僕を待っていたという匂いを感じた。店内を見回す。一つのオブジェに目が止まった。メタリックなプレート。よく見るとBMWのボンネット半分を上から見たもの。フェンダーミラーの上にジウジアーロと書いてある。あの有名なイタリアのカーデザイナー。「こんなものどこで見つけてきたんだろう?」かなり前から売れ残っているようだ。自分が気に入ればどうでもよい。オーナーが出て来て説明してくれた。「ジウジアーロはBMWをデザインしたって話はないんだけどね。70年代のものかな。」オーナーの朴とつな話し方から変わり者?さ加減が伝わってきた。即、購入。それが始まりだった。その後東京へ行く度時間があれば寄った。隅から隅までナメ回すように見て、気に入ったものがあれば買った。今はネットショップを持っているが最近までは無かった。こういう家具、雑貨の面白さはネットでは伝わらないし、店に来て見て触って欲しいという信念だった。
オーナーが買い付けてくる家具、雑貨、訳のわからないもの、ジャンクなもの。僕にはものすごく魅力的に映った。いろんな店を回ったけど、こんな蚤の市の様な面白い店は他には絶対無い。オーナーの審美眼に惚れ込んだ。音楽以外に物欲があまりない僕にそれをくつがえしてくれる嬉しい店。次から次に欲しいものが出てくる。マイフェイバリットショップ。
先週仕入れに行っていて、自分の店のコンセプトに悩んでいる時、この店の事が浮かんだ。「こんなブランド知らないけど、どこで見つけてきたんだろう。オーナーは相当変わり者だな。」いい意味でお客様の意表をつく感動させられる品揃えを目指したい。話題のブランドなら雑誌が解説してくれる。それよりも無名でもクオリティの高いブランド。僕は説明するのが好きなのだ。これが僕の性分。ちょっとしつこいかもしれないけど、ガマンしてね。「俺の話を聞け~。5分だけでもいい~♪」(byクレイジーケンバンド)
アルバーノのこれからの方向性は決まった。

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