シーラップほどのもんが何故?-GENOVA・AMAFI







シーラップほどの素晴らしいコートファクトリーが、何故ブレイクしない?
それはね。一言でいうと、中途半端なんです。
なんていうのかな、沢山のハイブランドを作りすぎて、自分達のアイデンティーを見失ったんじゃないかと僕は考えます。
伝統、実力、実績はピカイチ。唯一無二。コスパはいい。
職人としての力は素晴らしいんだけど、社長の方針なのか?良いデザイナーと巡り会えなかった。
ウチは35年ず~っと付き合っていますけど、展示会で目を見はるものはぽろぽろ。(僕目線ではね。)
ただ、その目を見はるカッコイイと思うものも、翌年には消えている。
定番にして欲しいものは、社長には個性がないと感じるのだろう。スゴイデザイナーものを作っているから?僕達にとっては、ありそうでない名作なのに、そういうものでは商いにならないと考えるのか?
イヤイヤ、シーラップ製だから魅力が出るのは、シンプルでミニマルなもの。
当店がこだわるのは、ファブリック、デザインじゃない。
どんな服でも職人がうみだすフォルムが6~7割、ファブリック、デザインは3~4割と考える。
そこにシーラップのアイデンティティがあるんだよ。
ライバルHは、ダウンでビッグになった。刺激を受け負けられない精神は出てきたけど、何を押したいの?何を売りたいの?意図が読めないよ、社長!
でも、売れると化学反応があるのがこの世界。もしそうなったら、社長パニック?
僕達目線で言うと、今のままでいい。代理店さんは困るだろうけど、静かにコシタンタンと❝知る人ぞ知る❞で売っていくのが丁度良い。
イタリアに無関心な庶民を目覚めさせてくれるのに、これほどわかりやすいブランドはないんだから。




そんで、今日は近年のシーラップをしょって立つ(立たせすぎじゃない)ピーコート。
セミロングの❝GENOVA❞とノーマル❝AMALFI❞。
もう説明の必要のない大人のピーコート。
「GENOVA」は、メルトンの紺、「AMALFI」はウールの紺。ピーチスキンの黒とベージュ(これも別注)
このモデルが出て、8年くらい経つかな。
最近 裏地の直しを持ってこられたYさんから拝借したのは、なんと30年位前からベストセラーだった初代のピーコート。20年くらい経つのに全く現役。死ぬほど売ったよ。(最後の写真4枚)
襟は小さめ、ボタン数は10個。
もし、こちらの方が好きという方の声が多ければ、復刻を考えようかな?

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